砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
「Dr,ドイのいる場所は、ここから10分ぐらい歩いた場所だよ。」

通訳の人が、中央にある一本道を指差す。

「さあ、行こうか。千奈ちゃん。」

「はい。」

私達は荷物を持って、車を出た。

少し離れたところには、小さい子供が立っていた。

「アッサラーム、アライクム(こんにちは)」

すると小さな子供は、走って行ってしまった。

「私の挨拶、下手だったかしら。」

「そんな事はない。相手が人見知りだっただけだよ。」

津田先生とそう言いながら、一本道を歩いた。

一本道の両側には、家があって、窓の中から私達を見ている。

「なんだか、気味が悪いですね。」

「気にするな。日本人が珍しいだけだよ。」

しばらく歩くと、一つの建物に、人が多く集まっていた。
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