砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
「森川千奈です。こちらこそ、宜しくお願いします。」

私も一応、頭を下げた。

「アムジャドとイマードは、日本語が上手いだろ?」

「うん。」

「国にいる日本の医師に習ったそうだ。」

「日本の医師?」

私の中で、トクンと心臓が鳴った。

「はい。Dr、ドイ。私の日本語の先生です。」

アムジャドが、ニコッと笑いながら答えた。

「アムジャド。千奈は医学部に通う、未来の医師だよ。」

「ほう。」

改めてそんな風に紹介されると、照れてしまう。

「それはすごい。女性の身で、医師になるなんて。」

私もニコッと笑った。

「アムジャドの国には、女性の医師はいないの?」

「それどころか、医師さえ足らない。」

「そうなの。」

綺麗な瞳。

アムジャドと話していると、スーッとその瞳に吸い込まれる。
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