砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
いよいよ私の出番だ。

「はい。」

聴診器を持って、血圧計を探した。

「お姉ちゃん、探し物ならそこだ。」

「はい。」

見ると一つだけ古い血圧計があった。

ゴクンと息を飲んで、その機械を持った。

初めて手動で血圧を測る。

「腕、失礼しますね。」

帯を上腕に巻き付け、関節の太い静脈に聴診器を当てた。

右手で圧をかけて、ちょうどいいところで緩めると、ドクドクと言う音がした。

「110の56です。」

「次は脈と呼吸だ。」

「は、はい。」

落ち着けと自分に言い聞かせる。

手首に右手の人差し指と中指、薬指を当てた。

これもドクンドクンと脈打っている。

「脈を数えるのは、30秒くらいでいいよ。あとでそれを倍にするんだ。残りの30秒で、胸の動きを見る。」

「はい。」
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