砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
測り終えると、土井先生がこっちを見た。

「実習は終わったか?」

「えっ、は、はい。」

慌てて返事をすると、土井先生は私を見た。

「じゃあ、姉ちゃんは次々とバイタル測って、俺と、あー名前なんだ。」

「森川です。」

「姉ちゃんじゃなくて、そっちの先生。」

「……津田先生です。」

「そう。津田先生に報告しろ。分かったな。」

「はい。」

そして私は、改めて現状を知った。

建物の中を覗いてる人達は、野次馬なんかじゃなくて、みんな患者さんだったのだ。

建物が狭い為、外に並んでいるだけだったのだ。

「こんなに患者さんが……」

よく見ると、老いた人から若い人、子供、乳幼児までいる。

「老人から小児科まで診なきゃいけないんだ。」

私は頭を激しく振った。
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