砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
「できました。」

「おう。」

津田先生は、私が作った野菜炒めを、文句も言わずに食べ始めた。

「あの……お口にあいますか?」

「どうせ塩、胡椒で味付けしたんだろ?万国共通だ。」

「はあ。」

あっという間に野菜炒めを食べ終わった先生は、「ご馳走様」と言って、台所に皿を置きに行った。

「土井先生。点滴打っている患者さんは、何か食べなくていいんでしょうか。」

「ああ、いい。こいつは明日の朝まで、絶食だ。」

でもその子供は、私達が野菜炒めを食べるところをじーっと見ている。

きっと食べたいんだろうなぁ。

「通訳さん。せめて絶食って事を、あの子に話してあげて。」

「分かったよ。」

通訳さんが話すと、子供はうんと頷いた。

よかった。物分かりのいい子供で。
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