砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
「じゃあ、寝る場所を決めようか。」

建物の中を見ると、ベッドは四つ。

通訳さんを入れて、4人。その内の一つは、点滴を打っているあの子供が使っている。

「じゃんけんか。」

土井先生が手を出すと、津田先生がそれを遮った。

「千奈ちゃんは女性だから、まずはベッドに。」

「千奈ちゃん!?」

土井先生は驚いている。

「なんだい。津田先生の彼女だったんかい。」

「違います!」

津田先生は、必死に否定した。

「通訳のアリさんは、ベッドで寝て下さい。私は、千奈ちゃんの側の床で寝ます。」

先生はそう言って、ベッドの側の床に、自分のカバンを置いた。

「先生、いいんですか?」

「いいも悪いも、これしかないだろう。」

そして先生は、荷物の中から、シートを取り出した。
< 128 / 311 >

この作品をシェア

pagetop