砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
子供は何を言っているか分からずに、頭の上に”?”マークがついている。

子供の目に涙が溜まっていると、切なくなる。

「さあ。お姉ちゃんが、次から次へとバイタルを測るからね。」

言葉の通じない子供達の頭を、順番に撫でていく。

すると子供達が、わーっと私の周りに集まってきた。

「みんな、順番順番。」

一人ずつベッドに寝かせて、バイタルを測って行く。

それを周りで見ている子供達。

なんだか緊張する。


「ははは。一気に好かれたな、千奈。」

土井先生は、いつも笑顔だ。

こんな状況の中、どれだけ辛くて苦しい事があったんだろう。

そう思ったら、土井先生から勇気を貰った。

土井先生だって、弱音を吐かずに頑張っているんだ。

私も笑顔になった。
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