砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
「Dr,ドイの元で?」

「はい。」

アムジャドは、2、3回うんと頷くと、次の人のところへ行ってしまった。

よそよそしい会話。

これで終わりなの?

アムジャド。私がここに来たのは、無駄だった?

私が地面に膝を着くと、アムジャドが戻ってきてくれた。

「Dr,ドイ。チナは体の具合が悪いようだ。」

「なに?熱波にやられたか?」

すると私の体が、フワッと浮き上がった。

よく見ると、アムジャドが私をお姫様だっこしている。

「ア、アムジャド。」

「ここでは、皇太子と呼べ。」

耳元に優しい声が戻る。

アムジャドの顔を見ると、ニコッと笑っている。

覚えていてくれたの?アムジャド。

涙が出そうになった。

あなたに、会いに来たの。

そう叫びたかった。
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