砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
「あの……」

「後で。」

そう言うとアムジャドは、行ってしまった。

そしていつの間にか、土井先生が後ろに立っていた。

「知り合いなのか?」

「えっ!?」

土井先生に、知られた?

「驚かんでもいいよ。皇太子から、日本で会った一人の女性の話を聞いている。」

「一人の女性?……」

「その人は、医師になる勉強をしていると言っていた。しっかりしていて、優しくて……愛し合っていたそうだ。」

アムジャドがそんな事を……


ああ、アムジャド。

やっぱりアムジャドなのね。

私、ここまで来てよかった。


「君がその女性だという事は、今、皇太子の微笑む表情で分かった。皇太子は普段、あんな顔をしないからなぁ。」

ちょっと照れくさくなった。

アムジャドが顔を緩めるのって、私の前だけ?
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