砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
翌日、私はここに着て来た洋服に着替えて、白衣を手に持った。

横には心地よさそうに眠るアムジャドの姿があった。

またいつ会えるか分からない。

そんな事を思ったら、いつまでもアムジャドの顔を、見つめていたかった。

「うーん……」

眠い目を擦った後、アムジャドは私の腕を掴んだ。

「もう仕事に行くんだ。」

「うん。」

「頑張って。」

今までのアムジャドだったら、”どこにも行かせない”って言って、この腕を離さなかっただろう。

でも今のアムジャドは、少し大人になった。

私にも、叶えたい夢があるって、分かってくれたみたいだ。


「チナはいつまで、モルテザー王国にいるの?」

「3か月後までだよ。」

「そうか。その間に、いっぱい愛し合わないとな。」
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