砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
「津田先生、土井先生。私、アムジャドの側にいられれば、それでいいんです。」

「いや、でも!」

「私は、医者になるんだし。ここで患者さんを診て、時々アムジャドと会えれば、それでいいんです。」

「千奈ちゃん……」

するとアムジャドが、私の体を抱きしめてくれた。

「チナ。そんな事言わないでくれ。ジャミレトの事は、なんとかする。時々じゃない。毎日君に会う。」

「アムジャド……」

気づけば、土井先生も津田先生も、私達に背中を向けている。

「どうもアラブ人の甘い口説き文句には、日本人は耐えられん。」

「そうですね。」

二人共、耳まで真っ赤にしている。

「それでは今日も、お姫様を連れていきますよ。」

アムジャドは、私の手を繋いだ。
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