砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
医者になって、この地に帰ってくる。

それを伝えてから、アムジャドは私をお姫様扱いしなくなった。

一人の女として、見てくれるようになったのだ。

「ねえ、アムジャド。」

「なに?」

「私を抱えて歩いていた時と、手を繋いでいる今、どっちがいい?」

するとアムジャドは、私の手にキスをした。

「どちらも愛おしいよ。優越なんてつけられない。」

いつもアムジャドの笑顔が降り注ぐ、すぐ隣にいたいと思うのは、決して難しい事ではないはず。

「日本に帰ったら、Lineちょうだいね。あっ、Lineって無料通信アプリね。日本版だと嬉しいな。」

「その前に、まだ1カ月もここにいるじゃないか。Lineがどうのこうの言うより、二人の会っている時間を大切にしよう。」

「そうね。」
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