砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
そしてアムジャドの泊まっているテントの中に入った。

すると中から湯気がふわり。

「なに?この湯気はどこからきているの?」

するとアムジャドは、クスリと笑った。

「こちらへ。」

「ん?」

隣のテントに繋がっている布を捲ると、そこにはお風呂が設置されていた。

「ハマムというアラブ式のお風呂だよ。」

「へえ。こんな大きなお風呂、見た事ない。」

「ハマムは大衆浴場だからね。さあ、入ろう。」

早速私達は服を脱いで、二人でハマムに入った。

「なんだか、寂しいわね。」

「ははは。こんなに大きなお風呂に、二人だけだからかい?」

私は体をタオルで拭きながら、診療所にいるみんなを思った。

「津田先生も連れてくるんだった。土井先生も、ずっとお風呂入っていないでしょうに。」
< 168 / 311 >

この作品をシェア

pagetop