砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
アムジャドはゆっくりと、私を抱き寄せた。

「チナは、いつも周りの事を心配するんだね。」

「前はこんなんじゃなかった。モルテザー王国に来てからかな。何て言うか、みんな助け合わないと生きていけないって言うか。日本が希薄だから、余計にそう思うのかな。」

「そんな事はない。日本人は、僕達に優しかった。日本人はシャイだから、仲良くなるまでに時間はかかったけれどね。」

アムジャドの肩にもたれかかった。

「明日、Dr,ドイやDr,ツダも呼ぼう。二人共喜ぶと思うよ。」

「そうね。」

その時にピンときた。

「この街の人、みんな呼んだら?」

「この街の人?みんな?そんな事したら、一日じゃあ、足りないよ。」

「そうか。何でもやればいいってものじゃないのね。」
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