砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
「でもいい心がけだ。さすが未来の王妃は、慈悲深い。」

そう言ってくれるアムジャド。

その言葉は嬉しいけれど、やはりジャミレトさんの事が気になる。

誰がどう考えたって、ジャミレトさんの方が、王妃に相応しい。

そして私は、側に仕える妾妃になるだけ。

ううん。側にいられるだけいいなんて言っておきながら、本当は誰にもアムジャドを取られたくない。

どうすればいいの?

「チナ。どうしてそんな悲しい顔をするの?」

「ううん。何でもない。」

「チナはいつも、自分の思った事、心の中に閉じ込めてしまう。それはよくないよ。僕はいつもチナの味方だ。思った事、考えている事全部教えて。」

アムジャドは優しい。

優しいから、甘えてしまう

「どうしたら、アムジャドを独り占めできるのか、考えてしまうの。」
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