砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
「何を言うと思ったら。僕はチナ一人のモノだ。他に誰もいない。」

「でもいるわ。ジャミレトさんが。」

「ジャミレトは、周りが用意した婚約者だ。僕はチナと結婚する。ジャミレトには、他の男性と結婚してもらう。」

強く言ってくれたのに、まだ不安が消えない。

「あー!こんなんじゃダメ!」

私は水面を叩いた。

「急にどうした?」

「アムジャド。私にアラビア語を教えて。」

「ええ?」

「簡単な言葉だけでいいの。少しはアラビア語ができるんだと思ってくれれば、周囲の人だって私を認めてくれるかもしれないわ。」

はりきって言うと、アムジャドはクスクス笑っていた。

「いいよ。」

「やった。」

「本当にチナは、根性があるな。」

「へへへ。」

アムジャドに頭を撫でられた。
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