砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
「図々しいなんて、思っちゃいない。いづれ結婚したら、君の家になるのだから。」

「あ、うん。」

いや、なんか一人で先走ってしまった感がありありだ。

なんか、恥ずかしさ倍増。


その時だった。

「皇太子。イマード様がお見えです。」

「イマードが?ここへ。」

「はい。」

イマードさんって、あのイマードさん?

あの空港で会った以来だ。

「お久しぶりでございます。アムジャド皇太子。」

「ああ。」

するとイマードさんは、私をチラッと見た。

「……チナ様もお久しぶりでございます。」

「お久しぶりです。イマードさん。」


- 父王様からです。-

ー これは手切れ金ですか? -

- そう思って頂いて結構です。-


あの会話を思い出す。

イマードさんは、アムジャドを騙してまで、私を別れさせようとしていた。
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