砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
今こうしてアムジャドの隣にいる私を、どういう気持ちで見ているのだろう。

「どうした?イマード。宮殿で何かあったか。」

「はい。父王様からのご伝言です。」

「父王から?」

アムジャドは、急に立ち上がった。

「もしかしてまた、倒れられたのか!」

「いえ、違います。」

「では、何だ!申せ!」

イマードさんは、私を見ながら嫌みそうに言った。

「皇太子が手折った東洋の花を、私も見てみたいと仰せです。」

私とアムジャドは、顔を見合わせた。

「それは……」

「皇太子が毎晩、チナ様を寝所に呼んでいるのは、父王様の知るところになっております。もはや隠しておくのは、無理かと存じます。」

「そうか。」

アムジャドのお父さんも、私の事を知っている。
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