砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
知っていて、会いたいと言っている。

「アムジャド。」

私は立ち眩みがして、その場に座ってしまった。

「チナ。」

直ぐにアムジャドが、ベッドに運んでくれて助かったけれど、一人だったら、どうしたらいいか分からなかった。

「どうなさるんですか?皇太子。」

「父王の望みは、なるべく叶えてやりたい。それが皇太子である僕の仕事だ。だが、肝心のチナはこの通りだ。僕はチナの気持ちも、大切にしたい。」

「かしこまりました。父王様には、直ぐには無理だと申しておきます。」

「宜しく。」

「はい。」

イマードさんは、テントの中から出て行ってしまった。

「イマードさんは今、アムジャドの側にいないのね。」

「僕がこの町に来ている間、宮殿の事を任せているんだ。」
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