砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
急に褒められて、顔が赤くなった。

アムジャドの甘いささやきは、お父さんに似たのかな。

「後で昼食会を開く。彼女も連れてくるといい。」

「分かりました。」

そう言い残して、お父さんは行ってしまった。

「先にお父さんと会いに行かなくてよかったの?」

「ああ、いいんだ。」

アムジャドはにっこりと笑って、私の手を繋ぐと、階段を昇り始めた。

私もそれに合わせて、昇り始める。

「僕の部屋からは、さっき通った庭も見えるよ。」

「綺麗な眺めでしょうね。」

アムジャドと話をしていると、緊張が取れてきた。

そう言えば、お父さんと会った時、緊張しなかったのは、なぜなんだろう。

ああ、そうだ。アムジャドと雰囲気が似ているからだわ。

あの柔らかくて、太陽のような雰囲気。
< 184 / 311 >

この作品をシェア

pagetop