砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
アムジャドはきっとお父さんに似たのね。

そんな事を思っていたら、大きな部屋の前に来た。

「ここが僕の部屋だよ。」

私が入ろうとすると、一人の女性が前に出た。

「お待ちください、皇太子。あなた様の寝所に入れるのは、正妻の方だけでございます。」

「チナは、将来正妻になる者だ。問題はない。」

「ただ……」

「何だ?」

「父王様の許可をまだ得ておりません。」

私は下を向いた。

ここでも私は、余所者扱いを受けるのか。

「分かった。」

アムジャドは私を連れて、今度は奥の部屋に向かった。

「どこへ行くの?アムジャド。」

「父王のところだ。」

「さっき、会ったじゃない。」

「今直ぐ、チナとの結婚を認めて頂く。」

「アムジャド!」

私は繋いだ手を放した。
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