砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
「じゃあ、ここで待っている。」

アムジャドは、私の額にキスをした。

「うん。待っていて。」

私は、先生のいる場所に、走って行った。

早くアムジャドの元に戻りたい。


「先生……」

津田先生は、寂しそうな顔をしていた。

卑怯な事は分かっている。

でも涙がポロポロと流れ出た。

「ごめんなさい。先生とは、深い関係になれない。」

泣きじゃくった私に、先生は手を差し伸べてくれた。

「分かっていたんだ。」

「先生……」

「君は、僕の事を恋とは違うと言ったね。」

「はい。」

「もしかして、恋する人ができたのかな。」

嗚咽を漏らして、私は泣いた。

「ごめんなさい、ごめんなさい。」

「いいよ、仕方ない。僕は無理を言って、君と一緒にいたんだ。」

どうしてこんな時も、先生は優しいのか。
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