砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
「チナ。」

アムジャドが手を握ってくれる。

「心配しないで、アムジャド。夕方には戻るわ。」

「分かった。」

そして私は土井先生のいるサハルに向かった。

「皆さんが来るようになってから、首都ジアーからサハルへバスが増えたんです。そのおかげで、買い物も楽になりました。」

「よかった。」

交通の便がよくなったのは、いい事だ。

何かあったら、ジアーのお医者様と連携できる。

そして私は、アムジャドのいる宮殿と土井先生がいるサハルを往復できる。

サハルへの道のりは、新たな道を切り開く、希望の道でもあった。


現地に着いたのは、お昼過ぎ。

ここでも土井先生と通訳のアリさんが、迎えてくれた。

「久しぶりだな、二人共。」

「お久しぶりです。」

津田先生と私は、土井先生と握手をした。
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