砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
通訳のアリさんを通じて、お母さんに聞いてみた。

お母さんは、首を横に振った。

「他の病気かもしれませんね。レントゲンを撮りましょう。」

そう言ってハッとした。

ここには、レントゲンもないのだ。

「どうした?」

土井先生が話しかけてきた。

「この男の子、2週間も風邪が治らないんです。」

「レントゲンを撮りたいのか?」

「できれば。」

「首都ジアーに連れて行け。あそこの病院では、レントゲンを撮れる。」

「はい。」

急いでバスの運転手に時間を聞くと、バスが出るのは夕方だそうだ。

前は昼間に1回しかバスが出なかったのに、今は朝、昼、夕方と3便あるからこれでもマシだと言われた。

「仕方ない。ベッドで休ませるしかない。」

土井先生は、男の子にベッドで寝るように伝えた。
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