砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
「じゃあ、血圧の薬だけでいいんですか?」

「ああ。毎月受け取りに来ている。渡せ。」

「はい。」

奥から乱雑になっている薬の棚から、血圧の薬を探した。

「あった。」

30日分、袋に入れておばあちゃんに手渡した。

「お大事ね、おばあちゃん。」

そしておばあちゃんは、ニコニコしながら帰って行った。

「……一つの症状に囚われていたんじゃ、ここではダメなんですね。」

「ああ。何せ機器がないからな。もっと問診しておくべきだったな。」

土井先生は、患者さんからいろんな話を聞く。

私もあんなふうになりたい。

「はい。」

私は次の患者さんへと向かった。

「薬はどうやって、買ってるんですか?」

「国王が海外から買い付けている。薬代はタダだ。」
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