砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
「はい。」

そして私はアリさんと一緒に、病院を出た。

「王宮まで送るよ。Dr,ツダに頼まれた。」

「津田先生に?アリさんは、どこに泊るの?」

「家がジアーだからね。家で寝るよ。」

私達はその後、笑い話をしながら、王宮に入った。

「チナ!」

「アムジャド……」

「会いたかった。」

アムジャドが玄関まで迎えに来てくれていた。

「遅いじゃないか。心配した。」

「ごめんなさい。患者さんを診なければならなくて。」

するとアムジャドは、ぎゅっと私を抱きしめてくれた。

「気が変わったかと思ったよ。」

「そんな訳ないじゃない。私はいつだって、アムジャドの側にいるわ。」

私はアムジャドを見つめた。

2年振り。アムジャドをこうして見つめるのは。
< 210 / 311 >

この作品をシェア

pagetop