砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
この日の夜は、忘れられないモノになった。

いつの間にかウトウトして、ふと気が付くとアムジャドの胸の中で眠っていた。

アムジャドの顔って、鼻筋が通っていて、かっこいい。

アムジャドには弟さん達がいるって言ってたけれど、みんなカッコいいのかしら。

「ん?」

目を覚ましたアムジャドは、私をぎゅうっと抱きしめてくれた。

「眠れないの?チナ。」

「ううん。目が覚めただけ。」

私はアムジャドの身体に手を伸ばした。

「チナ?」

「明日はジャミレトさんのところなのね。」

するとアムジャドは、私の手を握ってくれた。

「明日もチナの元へ来るよ。」

「どうやって?」

「ジャミレトが寝静まった後に、こっそり抜け出してくる。」

なぜか少年のような表情をしたアムジャドが愛おしかった。
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