砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
そして次の日の朝。

私はバスに乗る前に、昨日の夜ジアーに連れて来た男の子を尋ねた。

「おはようございます。昨日、連れて来た男の子なんですが……」

「あっ、女医さん。」

その医者は、昨日の夜私達を迎えてくれた人だったのだけれど、何か困っている様子だった。

「もしかして、何かあったんですか?」

慌てて男の子のいる病室へ行くと、そこには冷たく横たわる男の子がいた。

「どうして……」

力が抜けて、床に座ってしまった。

そこに通訳のアリさんが、駆けつけてくれた。

「ああ……」

アリさんも冷たくなった男の子を見て、声を上げた。

「昨日の夜、急変してそのまま亡くなったって。」

「死因は?」

「肺炎だって言っている。」

「どうして私を呼んでくれなかったの!?」
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