砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
「津田先生は、もう悟ったって事ですね。」

「ああ、そうだ。1度で分かる者もいれば、2度3度経験しないと分からない者もいる。」

でもそれって?

諦めが早くなれって事?

「土井先生、私。それでもまだ、諦めたくありません。」

「そうか。」

土井先生は、私がそう言うのを、知っていたのだろうか。

「例えお金に苦労して、検査や手術を受けられないとしても、最後の最後まで希望は捨てたりしません。」

それが私の答えだ。

「おまえの考える事は分かってる。アムジャド皇太子を使うんだろう?」

私はドキッとした。

「だがな。一人に金を使えば、他の人にも金を使わなければならなくなる。それが国家財政を破綻させなければいいけどな。」

アムジャドには頼ってはいけない。
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