砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
アムジャドの腕の中で、私は彼の匂いを嗅いでいた。

甘くていい匂い。

この香りに、これからずっと、包まれていたいと思った。


そんな私達の事を、いち早く気づいたのは、津田先生だった。

「先生……?」

「やあ、元気?」

いつもお昼を一緒に食べていたベンチに、先生は腰を降ろした。

「今日は、ある事を確かめに来たんだ。」

「なあに?確かめたい事って。」

津田先生は、前かがみになった。

「もしかしてなんだけど……」

「はい。」

「千奈ちゃんの好きな人って、アムジャドなのか?」

身体がビクッとなった。

「本当の事を教えてくれ。」

先生は、何か思いつめているようだった。

「……はい。そうです。」

先生は立ち上がって、私の肩を掴んだ。

「彼だけは、止めておけ。」
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