砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
なかなかはっきりした物言いに、なんだか親近感が湧いた。

「どこで日本語を?」

「アムジャド皇太子に、教わりました。」

「ええ?アムジャドが?」

皇太子が女中に日本語を教えるなんて、ちょっとおもしろい。

「以前は、アムジャド皇太子の母君、王妃様に仕えておりました。もう引退しようと思っていたのですが、アムジャド皇太子からあなたが女医だと聞かされて、お仕えしようと思ったのです。」

「私が女医だから?」

「ええ。宮殿で一日中暇をしているような妃は、あまり好きではありません。あなたのように活動的な方ではないと。」

「ありがとう。」

取り合えず、私の仕事を認めてくれたのね。

そこは感謝しなきゃ。

「それでは朝食を。その後にお着換えをなさいませ。」
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