砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
そしてふと外を診ると、母親が女の子を迎えに来ていた。

どうせ言わなきゃいけないのなら、早く教えてあげた方がいいかな。

「土井先生、あの女の子の説明、私にさせて下さい。」

「ああ、いいよ。冷静にな。決して泣くんじゃないぞ。」

「はい。」

私はゆっくりと、女の子の母親に近づいた。

「こんにちは。私、ここで医者をしています、千奈って言います。」

母親は、私ににっこり微笑むと、アリさんを見つめた。

「娘さんの事で、少しお話があります。お時間いいですか?」

アリさんが説明すると、母親は頷いた。

「実は娘さんの病気、進んでる可能性があります。薬を飲んでも、胸の痛みが治まらないようです。」

母親は、一瞬驚いたけれど、何かをボソッと呟いた。
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