砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
そしてその日の夜。

アムジャドは私の部屋を訪れた。

「チナ、お疲れ様。」

「アムジャドもお疲れ様。」

私達がキスをすると、後ろから咳ばらいが聞こえて来た。

「まだお二人の時間では、ありませんよ。」

女中のサヘルが、やってきた。

「お二人、お風呂に入っては如何ですか?」

「えっ?お風呂?」

あんな広くて明るいお風呂に、二人きり?

「ちょ……ちょっと待って、サヘル。」

「遠慮はいりませんよ。お二人でごゆっくりおくつろぎください。」

サヘルに背中を押され、私とアムジャドはお風呂へと連れて行かれた。

機嫌良さそうに服を脱ぐアムジャドに対し、私は恥ずかしくて、服を脱げずにいた。

「どうした?テントの中でも一緒に、入ったではないか。」

「あれは!……暗かったし、そんなに広くなかったし。」
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