砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
それだけで、もっと触れ合いたくなる。

抱かれたくなる。

「さあ、服を着て。」

「うん。」

私はさっき脱いだ服を手に取って、広げて見た。

「えっ?」

私の頭の中に、”?”が飛び交う。

さっきまで来ていた服は、確か白衣だったはずなのに、今手に持っているのは、黒のチューブトップだ。

「ははは。サヘルが置いていったな。」

アムジャドは呑気に笑っている。

「えっ?困るんだけど。」

「いいだろう。僕の他に誰も見ないんだし。」

それもそうか、と思ってそれを身に着けた。

下もヒラヒラしたスカート。

ザ・愛妾様って感じだ。


「それで?子供達はどうして、検査や手術を受けられないの?」

部屋に帰って来て、開口一番にアムジャドが口を開いた。

「お金がないからよ。」

「お金……」

「貧しくて、十分な治療を受けられず、ただ死ぬのを待つしかないの。」
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