砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
そして迎えた1か月後。

私とジャミレトさんは、それぞれ踊りの衣装を着て、大広間に集まった。

全身スケスケの衣装。

露出の高い衣装よりも、見えそうで見えないところが、恥ずかしい。

「チナ。心の準備はできて?」

「ええ。」

「じゃあ、最初と最後、どちらを選ぶ?」

ジャミレトさんは、ものすごく余裕だ。

たぶん最初でも最後でも、完璧に踊れるだろう。

「最初の方がいいわ。」

最後の方が、最初の人と比べられて審査されてしまうけれど、最初の方が比べる人がいなくて、良い印象を与えられるかもしれないから。

「分かったわ。じゃあ、用意して。」

私は大広間の中心に立った。

横にはジャミレトさん。

真正面には、アムジャドが見つめている。

アムジャドに一礼すると、音楽が流れて来た。
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