砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
やがて音楽が流れ、ジャミレトさんは踊り始めた。

その優雅な踊りに、大広間にいる誰もが魅了された。

とにかく綺麗。激しい動きにもブレず、しなやかで見ている者は圧倒された。

そして踊りが終わると、拍手喝采が起こった。

「さすがジャミレト様!」

「モルテザー王国一の踊り手でございます!」

ジャミレトさん側の女中達は、これ見よがしに主人を称えた。

「すごい……」

私が茫然としているのに、サヘルは冷静だった。

「ジャミレト様、本気を出してきましたね。」

「うん。圧倒された。」

「実はジャミレト様は、モルテザー王国の大会で、優勝されております。」

私の膝はガクッとなった。

「なんでそれ、今まで黙ってたの!」

「プレッシャーになるでしょう。そんなの関係なく、頑張ってほしいからですよ。」
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