砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
部屋に戻ってきた私は、遅れてやって来た怒りに、ワナワナと震えてきた。

「大体、大会で優勝するなんて、自分が大得意の踊りで勝負したんじゃん。最初から自分が勝つって思っていたんでしょう!?」

私は枕にパンチをくわえた。

「では、チナ様は何かの大会で優勝した事は?」

「……ない。」

サヘルは、ため息をついた。

「それでは仕方ありませんね。」

「だって、小さい時から医者になる為に勉強ばっかしてたんだもん。」

「左様ですね。お医者様になるには、それくらいの努力をしなければなりませんね。」

でも負けたままでいるのは、なんだか悔しい。

「もう一度、ジャミレトさんと勝負するわ。」

「まあ!何で勝負を?」

「料理よ。」

サヘルは、目をパチパチさせる。
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