砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
そして三日後。

また大広間に、私とジャミレトさんが集った。

「ではまず、前回勝者のジャミレト様から。」

出て来たのは、チョコレートのデザートだった。

「アムジャド皇太子は、小さい時からチョコレートがお好きでしたね。今回は、チョコレートのプリンを作ってみました。」

アムジャドは一口食べると、”美味しい”と呟いた。

「デザートは、食べるとその甘さで幸せな気持ちにさせてくれます。これからも、アムジャド皇太子の為に、手作りのデザートを差し上げます。」

ここでもジャミレトさんは、拍手喝采を浴びた。

「次は、チナ様。」

「はい。」

立ち上がった私の元に運ばれて来たのは、日本のお粥だった。

それをアムジャドに渡すと、不思議な顔をしていた。

「これは……」

アムジャドはスプーンを握ると、夢中でお粥を口に運んだ。
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