砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
初恋なの
ジャミレトさんとの勝負の行方は、国王の耳にも入っていたようだ。

「ああ、疲れた。」

仕事が終わって、自分で肩を揉んでいたところに、人だかりが見えた。

「チナさん。お久しぶり。」

「国王!」

私は急いで立ち上がって、頭を下げた。

「医者の仕事はどうだ?上手くいっているか?」

「はい。何とか。」

まさか国王に直々声を掛けて貰えるなんて、思ってもみなかった。

あの会食の一件以来、顔を合わせていないけれど、また何か言われるのかな。

「アムジャドに、新しい制度を提案したそうだな。」

「えっ?」

「日本にある、確か保険制度だと言っていた。」

私は、顔を出て押さえた。

アムジャド、早速あの事議論してくれたんだ。

「いい身分だ。」

一瞬、身体が固まった。

「それはどう言う事でしょうか。」

「一般庶民が皇太子に意見を言うなど、もっての外だ。」
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