砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
まるで考えが違う国王と皇太子。

でも私は、アムジャドのそういう考えも好き。

やっぱりこの人と一緒にいたいと思う。

「それにチナはもう一般庶民じゃない。僕のお妃になる人だ。例え国王であっても、その事を認めて貰わないと。」

「無理はしないで。国王と喧嘩するのだけは、止めて。」

するとアムジャドは、私の頬にキスをしてくれた。

「言ったろう。僕はチナと一緒にいる為に、最大限の努力をすると。相手が国王だとしても、それは変わらない。」

「アムジャド。」

「チナだって、僕と一緒にいる為にジャミレトと勝負してくれたんだ。僕だって勝負するよ。」

私はアムジャドを抱きしめた。

ただ。ただ、この人と一緒にいたい。

誰もそれを邪魔しないでほしい。

ただ静かに、この恋を守りたい。

それだけじゃ、駄目なんだろうか。

「チナ。泣いてる?」

「ううん。」
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