砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
「もちろん、アムジャドに似た男の子は欲しいですけど、こればかりは……」

「正直な娘だな。」

ようやく国王にも、笑顔が戻った。

「ジャミレトに同じ事を問うたら、”任せて下さい”と言っておったぞ。」

その様子が、頭に浮かぶ。

ジャミレトさん、すごい喜んだだろうなぁ。

「いづれにしても、アムジャドが選んだ人が、この国の王妃だ。王妃になれば、跡継ぎを産んでもらわねば困る。」

「はい。」

「もう仕事の時間だろう。気を付けて行ってきなさい。」

「ありがとうございます。」

私は国王に頭を下げて、その部屋から廊下に出た。


「チナ様。やりましたね。」

サヘルは喜んでいる。

「あんなに外国の王妃など認めないと仰っていた国王が、今度は跡継ぎを産んでくれなんて。チナ様を王妃候補として、認めてくれたと言う事ですよ。」

「うん。そうね。」

でもなぜだろう。肩が重くなった。
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