砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
ある日の事だった。

授業が終わったアムジャドと、裏庭で待ち合わせをしていた。

あの日以来、私達は毎日電話で話ていた。

アムジャドと話をするのが楽しくて、いつも夜更けまで話していた。

だから久しぶりに会って話すのも、すごく楽しみだった。


待ち合わせの時間になって、私は時計を見た。

「おかしいな。待ち合わせの時間、間違えたかな。」

その時、後ろから両手で顔を押さえられた。

甘い香りがする。きっと彼だ。

「だーれだ。」

「うふふふ。アムジャドでしょう?」

「なんだ。つまらない。」

振り返ると、ニコッと笑うアムジャドがいた。

「アムジャド……会えて嬉しいわ。」

「僕もだよ。チナ。」

そして何の気なしに、私達は歩き始めた。

「どこへ行く?」
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