砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
そして部屋に着き、アムジャドは私をベッドに寝かせた。

「そう言う経験を重ねて、一人前の医者になるんじゃないのか?」

「そうだけど、私の経験の代わりに、子供がまた亡くなってしまったら?命は一つなのよ?」

するとアムジャドは、はぁーっと大きなため息をついた。

「だったらチナは、どうしたいんだ。」

「えっ?」

私は急いで起き上がった。

「最近のチナは、笑顔が無くなった。」

「そう?……仕事の事で悩んでいるからかしら。」

「僕と一緒にいる時ぐらい、仕事の事を忘れられないのか。」

私とアムジャドは、見つめ合った。

「……できないわ。」

「チナ。」

「医者は、プライベートを犠牲にしてでも、患者の事を考えていなければならないの。あの患者には、どういう治療が最善なのか、常に考えなきゃいけないのよ。」

アムジャドは、悲しい顔をした。
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