砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
「千奈ちゃん。思い切って、俺のところに来いよ。」

私は津田先生の方を向いた。

「結婚しよう。俺が千奈ちゃんを、幸せにする。毎日笑顔にするよ。」

「先生……」

蘇る。先生と一緒にいた時間。

毎日のようにお弁当を作って、二人でベンチに座って食べて、笑い合っていたあの日。

「って、これで2回目か。千奈ちゃんにプロポーズするの。」

そう言って津田先生は、笑っていた。


アムジャドだって、仕事で悩んでいるかなのか、いつも疲れたような顔をしている。

私だって、仕事の事で悩んで、難しい顔をしていた。

二人で、笑顔が無くなっていた。

今の津田先生みたいに、どっちかが笑っていたら?

もう一方は励まされ、もう一方は癒されるだろう。

それに気づいた私の目からは、涙が流れていた。


「千奈ちゃん?」

「ごめんなさい。津田先生。私、先生とは結婚できない。」
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