砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
私が、アムジャドを癒すべきだった。

笑顔でアムジャドを迎えるべきだった。


「もう一度、考え直してくれないか?現に今、アムジャドの事で、千奈ちゃん泣いてるじゃないか。」

「これは、自分がなんて馬鹿だったんだろうって。反省の涙です。」

私は涙を拭った。

「どうしてそこまで、アムジャドに拘るんだ。」

「えっ?」

「アムジャドは、千奈ちゃんがこんなに苦労している事、知っているのか?」

私は返事できなかった。

「俺だったら、苦労させない。同じ医者だ。千奈ちゃんの悩みも一緒に解決できる。」

今回の津田先生は、情熱的だ。

「……先生の言う通りだと思います。」

「だったら!」

「でも、アムジャドじゃないと、駄目なんです。」


そうなんだ。

アムジャドじゃないと、一緒に笑えない。

苦しみも悲しみも、分け合える事もできない。


「私にとってアムジャドは、初恋の人だから。」
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