砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
私は診療所の隣の建物に、急いで行った。

「土井先生!」

「なんだ、騒がしい。」

「診療所に寝ている子供の一人が、風邪をひいているみたいなんです。」

「なに?」

土井先生は、私の隣を抜けると、診療所の中に入って行った。

「風邪をひいているのは、誰だ。」

「この子です。」

私は、涙目で訴えていた子供の肩に触れた。

土井先生は、その子の肺を音を聞くと、気難しい顔をした。

「確かに風邪だ。だが困ったぞ。下手に風邪薬を飲ませれば、まだ見つかっていない方の病気に、抗体を植え付ける事になるかもしれない。かと言って、ここにこのままいては、他の子供にも風邪が移る。」

「部屋の奥に、隔離しますか?」

「うーん。子供達は弱っている。隔離しただけでは、風邪は防げないかもしれんが、今はそんな贅沢言ってられないか。」

土井先生と私は、その子を薬が置いてある棚の前に寝かせた。
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