砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
「そうか。風土病か。」

土井先生も納得していた。

「抗生物質か。効く薬があってよかった。津田先生、千奈。早速子供達に投薬だ。」

「はい。」

私達は隣国から送られてきた抗生物質を、子供達に注射し始めた。

まだ幼くて、泣きだす子供達もいたが、これで大丈夫だ。


「よかった。隣国には、何か返礼品を送らねばならないな。」

「そうですね。」

皆が笑顔になった。

「それにしても、我が国でこのような事態が起こっているとは。知らなかったのは、我々の責任だ。」

「いや、子供達が倒れたのは、わずか三日前の事だ。分からなくて当然ですよ、アムジャド皇太子。」

土井先生が、アムジャドを慰めた。

「そう言ってくれるのは、Drドイがお優しい方だからだ。少ない日数であっても、国民を危険にさらしたのだ。今後はいかなる病気でも、報告させよう。」

土井先生も、津田先生もうんうん頷いている。
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