砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
それに包まれるのも、悪くはない。

そして1時間後、瞬く間に馬は宮殿に着いた。

「早い。バスと同じ時間で来るなんて。」

「バスが通るのが困難な場所も、馬ではすぐに通れるからな。」

私はアムジャドの手を借りて、馬から降りた。


宮殿の中に入ると、サヘルが心配そうに駆け寄ってきた。

「チナ様。ようございました。お元気そうで。」

「サヘル。心配をかけてごめんなさい。」

「いいえ。よくお仕事をお勤めになられました。チナ様のおかげで、この国の子供達が救われました。」

「そんな大袈裟な。」

サヘルと笑って話している時だ。

目の前が、急にふらついた。

「チナ様?」

「大丈夫何でもない。」

そう言った瞬間、目の前の世界が、グルグル回りだした。

「きゃああ!チナ様!」

「チナ!」

隣からアムジャドとサヘルの声が聞こえる。

よく見ると、私は床に倒れていた。

「う……ん……」

「チナを急いで部屋に運ぶぞ!」

そしてアムジャドに抱えられた。
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