砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
『千奈ちゃんが、医大生?』

それにも、先生は笑ってくれた。

『じゃあ、千奈ちゃんは俺の後輩だ。』

『後輩?』

『俺も、ここの医学部を出たんだ。』

爽やかな風が吹く、新緑の日だった。


それからお昼の時間は、よく津田先生と会った。

「ごめんごめん、遅くなって。」

「いいえ。私も授業遅くなって、今来たところです。」

学校の裏庭のベンチで、一緒にお弁当を食べるのが、日課になっていた。

「先生、いつもサンドイッチ。栄養偏りません?」

「うーん。でも外で食べる時は、これが一番手ごろだしな。」

「お弁当は?」

「弁当?作る人もいないよ。」

ここは、私が作りますって、言った方がいいんだろうか。

「……先生、結婚してないんですか?」

「うん。今だに独身。ついでに彼女もいない。」
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