砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
胸がズキッとなった。

「まさか、アムジャド……私以外にも彼女がいるの?」

イマードさんは、黙っている。

「教えてよ!」

「そう思う事自体、おこがましいんじゃないか?」

「えっ?」

私はイマードさんを見つめた。

「なに?どう言う事……」

その時だった。

「イマード!」

待ち合わせに来たアムジャドが、私の前に来た。

「何を言ったんだ。イマード。」

「何も。」

アムジャドとイマードさんの間に、風が吹く。

「嘘だ。何も言わなかったら、チナがこんな……血の気を引いた顔をしていない。」

するとイマードさんは、フッと笑った。

「そんなに、この女性が大切ですか。」

「大切だ。今まで出会った女性の中で、一番大切だ。」

「今まで出会った女性の中でね。」
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